年月日 平成20年04月26日(土)〜27日(日) 天候 曇り時々晴れ 場所 新潟県南魚沼市六日町・五日町 ルート (4/26)坂戸山登山口→(90分)→山頂→(80分)→登山口
(4/27)六万騎山登山口→(30分)→山頂→(30分)→登山口
(4/27)飯綱山登山口→(60分)→国際ユースホステル 歩行距離(不明)、総所要時間6時間30分(休憩時間含まず)その他 カタクリを初めとする山野草の豊かな新潟県南魚沼市。今回は旅館泊まりで六日町と五日町の駅前から近い里山である「坂戸山」と「六万騎山」を花を愛でながら歩いてみました。テレビでお馴染みの無名山塾主宰岩崎元郎氏もガイドとして同行され、登山後はカタクリサミットも開催されるなど、充実した二日間となりました。なお、飯綱山トレッキングは27日急遽追加されたコースで、むしろこのコースが山野草は一番豊富だったかも知れません(笑)。
坂戸山の詳細地図はこちらから(六日町観光協会提供)
六万騎山の詳細地図はこちらから(六日町観光協会提供)
飯綱山の詳細地図はこちらから(六日町観光協会提供)
かなり早くに目覚めてしまった。静かに煙草を燻らせ時間を過ごし、5時からは誰も居ない朝風呂にゆったりと浸かる。雨の予想だった空模様は露天風呂から眺める限りどうにか持ち堪えてくれそうだ。7時からバイキング形式の朝食を取り、身支度を整えて9時には宿を出発する。岩崎先生は今日は別のツアーのガイドをやるということで、既に出立されたらしい。お忙しい方だ。今日の目的地は六万騎山(321m)である。六万騎山は山頂に上田長尾氏の武将福島大炊督の居城があり、本丸・出丸・諾丸の配置や全山の様相から兵6万の収容が可能とされ、その様相からこの名がついたらしい。
バスで15分も走れば五日町の六万騎山登山道入口に着く。情報によるとこの山のカタクリはもう既に朽ち果ててしまっていると聞く。なるほど登るほどにこの時期この山はイカリソウが主のようで、登山道の両側にビッシリと赤紫の花が咲き誇っている。種類が違うのか関東のイカリソウよりも色が濃く、毒々しい感じさえする。低山ながら登山道は案外急勾配で、直登気味の山道に汗が滲み始める。頂上が近付くに連れチゴユリが多く見られるようになる。チゴユリは小さなかわいらしい花を稚児(子供)にたとえた名前で、花が下向きに咲くので、上から見下ろしながら歩いても葉の影でなかなか見つけにくい。頂上付近にはスミレの花の大群生を見つけるが、膨大な数のスミレの仲間を見分ける知識は持ち合わせていないので、葉が丸いことを根拠にマルバスミレ(?)の群生とでも言っておこう。
山頂は六万騎城跡の碑が建つだけの狭い空間だ。南に巻機山、金城山、西に六日町盆地が見渡せるが、東側は案外眺望が優れていない。10分ほど休憩を取るともう下山となる。下山路はさりとて特徴の無い山道であるが、時折ユキツバキの赤やタムシバの白が目に付く程度だ。ほぼ1時間半で踏破し、早々と10時50分には下山してしまった。
ところで、初日の荒天を懸念して坂戸山と六万騎山の日程が入れ替えられた関係上、六万騎山だけの今日はこのように余りにも早くスケジュールを消化してしまった。そこで、予定外ではあるが添乗員の計らいで急遽もう一座「飯綱山」を登ることになった。うんうん、若干消化不良の部分があったので、オプションの飯綱山に期待することにしよう。
六万騎山から南西に30分ほど走るとなだらかな丘陵風の小山が現れる。標高230mの飯綱山はいわゆる5〜6世紀に作られた古墳の跡で、この山域自体古墳なのである。登山道と言うにはおこがましいが、ゆるやかな山道を歩いていると、美しいナラやブナの林の中にカタクリの大群生が現れる。余りに見事な大群生に参加者から一斉に驚嘆の声が上がる。坂戸山でも六万騎山でも見られなかったほどの見事な大群生である。その中でも圧巻は白いカタクリがただ一本、無数のピンク色の中に健気に咲いている様子だ。当然カメラマンが殺到し、順番待ちになったのは言うまでもない。
たっぷりとカタクリの大群生をカメラに記録した後、道は「カタクリとどんぐり道」と呼ばれるトレッキングコースとなり、僅かながらのアップダウンを繰り返しながらゴールの六日町温泉国際ユースホステルへ向かう。歩むに連れあの高山植物のイワカガミの群生が尾根道の両側にびっしりと咲いている様が見られ、このような低山にどうしてこんなに見事なと言葉を失う。ここでも写真撮影のための交通渋滞が起きたのは言うまでもない。尾根道から舗装道路へ降り、暫く農村の長閑な風景を眺めながら歩くと、目的の国際ユースホステルに着く。ここで遅めの昼食を取り、最後の目的地「野の花館」へと向かう。
国道17号線を30分ほど走ると塩沢石打ICの近くに外山康雄「野の花館」がある。「野の花館」は2002年にオープンした水彩画家外山康雄氏のギャラリーで、旧家の住まいを移築した懐かしい佇まいの美術館である。外山氏は東京生まれ、新潟県浦佐育ちの画家で、彼が描く水彩画は、四季折々に咲く可憐な野の花、山の花などをデリケートなタッチで描いたもので、眺めるほどに優しい気持ちが伝わってくる。驚くのは彼の作品の前には、作品と同じ植物が鉢植えで置かれており、初めて見るような珍しい実物も多く、よくぞこのような希少な植物を集めたものだと、植物愛好家の参加者も一様に驚きを隠せなかった。
美術館や館外のミニ植物園で珍しい山野草の写真をカメラに収め終ると、14時30分そろそろ東京に向けて帰路に付くことになる。ゴールデンウィーク前半の日曜ということもあって渋滞が心配されたが、左程の影響も無くまだ明るい17時30分には新宿に無事到着することができた。
二日で三座を巡る春山歩きツアー。いわゆる低山ばかりで体の疲れはほとんど感じない。それにしても世間は広いと思う。何時も関東の花を愛でる山歩きでそれなりに満足していたが、こうやって知らない土地を歩いてみると、更に規模の大きい手付かずの自然がまだまだあることに驚かされる。また訪れてみたいと思う反面、ここがNHKの大河ドラマの舞台になるとすれば、いわゆる観光地となって俗化してしまうのは必至であろう。この豊かな大自然が踏み荒らされるのは時間の問題か。寂しいものである。