年月日 平成19年12月22日(土) 天候 曇り 場所 山梨県甲州市 ルート 勝沼ぶどう郷駅→(5分)→大日影トンネル遊歩道入口→(30分)→大日影トンネル遊歩道出口→(30分)→勝沼堰堤→(30分)→鳥居平→(30分)→勝沼ぶどう郷駅 歩行距離(往復4.0`)、所要時間2時間00分(休憩時間含まず) その他 久し振りのウォーキングに出かけてみた。山登りとは違って時間的にも距離的にも体力的にも楽であるが、その分余った時間に余計な企画が盛り沢山で余り感心しない。時間が余るのなら距離を倍にするとか、歴史を勉強するために何処かに立ち寄るとか、歩く目的を明確にした企画にして欲しいものだ。しかし、余計な企画を除けば、久し振りにのんびり歩くことが出来た一日であった。
年の瀬も押し詰まり、仕事も忙しくなってきた。年末年始の準備に慌しい世間だが、一人住まいの私には余り関係が無い。人生50余年で初めてお節料理も雑煮も無い正月を迎えることになりそうだが、大掃除くらいはちゃんとやって新年を迎えることにしよう。そう言えば、今日は二十四節季の冬至なのだ。山登りにはアイゼンが手放せない冷たい季節になってきて、寒風吹き荒ぶ山道を考えると、少々テンションが低くなりがちであるが、足腰が鈍らないよう今日も何処かを歩いてみることにしよう。
ツアーバスは総勢27人を乗せて新宿を8時45分に出発する。大型バスにこの人数だから、単身参加者は久しぶりに一人二席をゆったりと陣取って足を伸ばして座ることができた。当初は3連休にしては少々遅い出発かと思われたが、豈(あに)図(はか)らんや、中央高速はガラガラに空いていて拍子抜けであった。年も押し詰まったこの時期に、遊び歩いているのは我々だけだと言うことなのだろうか(^^;;)。バスは途中談合坂SAでトイレ休憩を取った後、勝沼ICを降り、新宿を出てからほぼ2時間で目的地の「JR勝沼ぶどう郷駅」に早々と到着した。山梨県の旧勝沼町(現甲州市)に1世紀前に建設されたJR中央線の旧大日影(おおひかげ)トンネルが今年の8月29日に遊歩道として生まれ変わったと聞き、今日は山登りではないがその廃線跡を歩くウォーキングツアーに参加してみることにしたものだ。
午前10時半に他の地域から参加者も含め60余名でスタートを切る。まずは数十段の階段を線路の位置まで登る。天気は高曇りで左程寒くない。むしろ歩く程に汗がジットリと滲んでくるくらいだ。登り切ると目の前にはもうトンネルがポッカリと口を開けている。トンネルの壁面は重厚な煉瓦で覆われ、昭和初期まで現役だった蒸気機関車の煤(すす)がこびり付いたままで味わい深い。旧大日影トンネルは全長1367.8mで、鉄道用トンネルを転用した遊歩道としては全国で最長らしい。
トンネルは等間隔に蛍光灯が敷設してあり真っ暗闇の中と言う訳ではない。退避場所らしき壁の切れ込みには当トンネルの歴史を解説するパネルが時系列的に掲示されていて、時間があればゆっくり読みながら歩くのも良いだろう。ただ、暗闇の中同じ風景が延々と1.4キロ続くわけだから、鉄道マニアを除けば少々刺激が少なく飽きが来るかも知れない。ここは一つ、明治から昭和にかけて黒煙を吐きながら喘ぎ喘ぎ走っていた蒸気機関車の姿に思いを馳せて歩くべきなのかも知れない。
フラッシュの光が上手く届かず、カメラの操作に難儀しているうちに、30分も歩けば出口に到達してしまう。すると、その先にも新たなトンネルが出現するが、そこは旧深沢トンネルを利用した「勝沼トンネルワインカーヴ」なるワインの貯蔵庫になっている。トンネル内は年間温度6〜14℃、湿度45〜65%とワインの熟成に最適な環境であり、ワインラックが322ユニットが整備され、1ユニットに720mlボトル換算で300本が収納可能で、月額2500円の保管料で一般のお客さまのワインを預かっているそうである。ワイン愛好家でない私にはピンと来ない話であるが(^^;;)。
トンネルを出ると、これからは暫く車道歩きとになる。暫く下ると近藤勇の古戦場なる遺跡がある。ここは慶応4年(1868年)、近藤勇を隊長とする幕府側の新撰組と、これを迎え撃つ官軍との戦いが展開された所だが、新撰組は三百人余り、官軍は千人を超える部隊で、新撰組はあっけなく敗走したという負け戦の遺跡なのである。この遺跡を右手に国道20号線を渡ると、眼下に勝沼堰堤(えんてい)が現れ小公園になっている。勝沼堰堤は日川の蛇行点を堰堤で閉鎖して、その脇の岩盤を切削することによって岩盤自体を堰堤として利用していて、人工物でありながら自然を巧みに利用し、あたかも自然の滝のような景観を作り出している点に特徴があり、なかなか雄大な眺めである。些か寒いがここで滝(もどき)を眺めながら昼食となる。
時間はたっぷりある筈だが、何故か昼食時間は20分。慌しく昼食を済ませるとゴールへ向かう。途中、国宝の薬師堂を持つ「大善寺」を右手に国道20号線を歩く。ここは本尊の薬師如来座像と脇侍の日光・月光菩薩立像が有名で、また日本で唯一ぶどうを持った薬師如来として知られているのだが、如何せん通り過ごすだけでは余りに勿体無い。せめてツアーに組み込むくらいの企画が欲しいものである。
道は国道20号線を離れ、アップダウンを繰り返しながら丘陵地帯のブドウ畑の中を汗を拭き拭き進む。晴れていれば南アルプスの勇壮な山並みを眺めながらのウォーキングとなる筈だが、甲府盆地を始め遥か遠景も霞んでいて、辛うじて稜線がぼんやり見える程度である。
そうこうするうちに、昼食場所からほぼ1時間でスタート地点の「JR勝沼ブドウ郷駅」に戻ってきた。正味2時間のウォーキングはこれにてつつがなく終了した。が、今日の行程はまだ終わりではない。再びバスに乗り込むと車で数分の「勝沼ワイン工房」の工場見学とワインの試飲そしてショッピングに出掛ける。それが終わると、更にそこから車で数分の「ハーブガーデン」の見学とショッピングまで組み込まれている。しかし、商魂逞しい彼らの口車に乗って財布の紐を緩めるほど私も老いぼれてはいないし、それほど無用な金など持ち合わせていないのだ。しかし、金は使わないがワインの試飲だけはたっぷりやって少々赤ら顔で帰路に付いたのだった(笑)。
山登りツアーには数多く出かけているが、ウォーキングツアーは初めてではなかろうか。時間的に距離的に体力的に比較的楽なウォーキングであるが故に、余った時間に余分な企画まで組み込まれているのは余り嬉しくない。それであれば、先程の大善寺の国宝の薬師堂の見学でも企画してくれた方が私としては有り難いのだが。まあ、旅行会社としてはタイアップ営業をやった方が会社にとってうま味があるのかも知れないが(笑)。