年月日 平成19年4月7日(土) 天候 晴れ 場所 長野県伊那市高遠町 ルート 杖突峠登山口→(40分)→アカエ沢→(30分)→東峰→(20分)→守屋山西峰→(往路下山)→登山口 歩行距離(6.0キロ)、所要時間(3.0時間 休憩時間含まず) その他 諏訪湖の西に連なる伊那山脈最北端の独立峰守屋山は西峰(主峰)と東峰の二つのピークを持つ双耳峰です。東峰からの眺望は、西峰(主峰)より優れ、晴れていれば八ヶ岳、霧が峰を間近に、北アルプス、南アルプス、中央アルプスなど360度の展望が楽しめます。しかし、天気は下り坂で、辛うじて八ヶ岳、霧が峰方面が眺められる程度でした。更に守屋山を有名にした座禅草は群生には程遠く、これからが見頃を迎えるようです。
行ってみたかった群馬「神成山」のオキナグサを愛でる山旅ツアーが人数が集まらず催行中止になった。何とも残念だが仕方無く次点候補の山旅ツアーに参加してみることにする。場所は諏訪湖を眼下に眺め、諏訪市、茅野市、伊那市高遠町の境に位置し、伊那山脈の最北端の山でもある「守屋山」(1650m)だ。守屋山は春の山野草「座禅草」の群生地としても有名で人気の高い山であるが、私にとって余り興味の沸く山野草でもないので、今回は守屋山山頂からの霧ヶ峰、車山、蓼科山、八ヶ岳、そして南ア、北アの眺望を楽しみに登ってみることにしよう。
31人の参加者を乗せてバスは7時15分に新宿を出発する。今日は花の専門家であるP−MAC野外教育研究センターの石井英行先生が同乗され、山野草の解説を交えて我々と共に歩いていただく手筈になっているという。心配された天気の崩れは全く無く、朝から快晴の空模様で嬉しい。バスは途中双葉SAでトイレ休憩を取りながら中央高速をひた走る。車窓からは雲一つ無い青空に、甲斐駒ヶ岳、北岳、そして仙丈ヶ岳などの南アルプスの勇壮な山並みがくっきりと眺められ、この分では守屋山からの眺めも最高に違いないと期待が高まる。バスは諏訪ICを降り、国道152号線を一路杖突峠へ向かう。
杖突峠着が10時半。朝の爽やかな空気の中で準備体操をやった後、石井先生を先頭にスタートを切る。登山道は最初から急登が続き、シャミース1枚の出で立ちでも汗が噴き出す。しかし、登山道自体が柔らかな土壌のせいか足腰の負担は左程でもない。おまけに、随所で立ち止まって石井先生から「樹木」についてのレクチャーがあるので尚更楽だ。ところで、石井先生曰く「今回は残念ですが山野草の芽吹きにはチョッと時期が早かったようです。仕方が無いので「樹木」について解説することにしましょう」と。そう、チョッと時期が早かったせいか、春の山野草の芽吹きの一つさえも見つからない状況が続き、花の案内人石井先生と言えども「樹木」の解説に切り替えざるを得なかったのだ。
急登を過ぎるとなだらかな山道歩きが暫く続くが、林道と合流する辺りから登山道は「座禅草コース」となり一旦下って数分で座禅草の群生地「アカエ沢」に着く。その座禅草も芽吹きが遅れているようで、盗掘を防ぐための鉄条網の囲いの中にチラホラと散見される程度である。この座禅草、僧侶が袈裟をかぶって坐禅をくんでいる姿に似ていることからというのがその名の由来とか。寒帯や温帯山岳地の湿地に生育し、開花時期は1月下旬から3月中旬であるが、開花する際に約25℃くらいの熱を自ら発生させ周囲の氷雪を溶かすという。発熱時に悪臭を放つことから英語では Skunk Cabbage(スカンクキャベツ)の呼び名もあるらしい。
アカエ沢で少々休憩を取った後、腰を上げ頂上を目指す。ここからは今までのなだらかな山道が嘘のような胸突き八丁の急登が続く。先を見ると挫折しそうになるので、足元だけを見ながら激しい息遣いで遅々とした速度で足を進める。苦しい、兎に角苦しい!。目の前には「がんばれ ここは胸突坂」の立て札があり、落ち込みそうな我々を鼓舞している。集団行動だから勝手に休むわけにもいかず、ただただ我慢の行程だ。
鎖は付いているがまるで使う必要の無い小さな岩場を登り切ると、ようやく勾配もなだらかになってきて守屋山東峰(1631.2m)が目の前に姿を現す。かなり難儀した急登だったが悪戦苦闘の末どうにか頂上に12時15分辿り着いた。しかし、あれほど下界では快晴だった天気も徐々に雲が出始め、周辺の山々は白いベールに覆われ始めている。辛うじて八ヶ岳、蓼科山、車山方面は眺められるものの、南ア、北アの勇壮な山並みはすっかり白いベールの中だ。ここでの休憩時間は僅か20分しかない。弁当を急ぎ掻き込み、雲が全体を覆う前に写真を取り捲るなど、なかなか慌しい山頂のひと時となった。
短時間の昼食を終えると、東峰を一旦下り登り返して20分の守屋山西峰(1650.3m)に向かう。双耳峰である守屋山の西峰は東峰より20m程度高いだけで、眺望はむしろ低い東峰の方が樹木が無い分やや優れている。かと言って隣同士でそんなに大差があるわけでもないので、暫し東峰と同じような眺望を楽しむと、踵を返して東峰へ戻る。山頂に日が陰り寒さが襲い始めた頃、折りしも、ちらほらと雪が舞い始め参加者から一斉に歓声が沸く。
東峰に戻り身支度を整えると下山に転じる。登りの急登が下山の際のネックになるのは当然のことで、一部凍結した山道もあるため、足を滑らせないよう細心の注意で下る。長距離、急勾配の下りが続くと大腿四頭筋が悲鳴を上げるのは毎度のことで、今回も足を引きずりながらどうにか1時間15分かけて登山口まで戻ることができた。それにしても、足の筋肉は134回も山登りやウォーキングを重ねていてもなかなか鍛えられないものだ。毎日エスカレーターを使わずに駅の階段を上り下りする程度のトレーニングではなかなか追いつかないようだ(笑)。
帰りは茅野市上原温泉「アクアランド茅野」に立ち寄り、汗を流し、足の筋肉を揉み解し、更には温泉近くのラーメン屋で喉の渇きまで癒して帰路に付いたのだった。
ところで、お世話になった石井先生のツアーに再び参加しようと思うが、石井先生に限らず講師付きのツアー料金は概して高い。当然先生に対する謝金が加味されているものと思うが、いま少しツアー会社側が費用を負担してもらえれば等と自分勝手な考えを抱きながら、再び次回の山歩きに思いを巡らしている自分が今ここに居る。