年月日 2007/02/17(土) 天候 曇天 場所 山梨県南都留郡富士河口湖町本栖竜ヶ岳 ルート 本栖湖キャンプ場→(15分)→竜ヶ岳登山口→(60分)→石仏→(60分)→山頂→(100分)→本栖湖キャンプ場 歩行距離(6.0`)、所要時間4時間00分(休憩時間含まず) その他 山梨百名山にもなっている竜ヶ岳は、スズタケが覆う山として、以前から登山ガイドには上級者向きの山として紹介されていました。しかし、.平成10年度からの山梨県の文化の森整備計画により峠道が整備され、スズタケとの格闘から登山者は解放されたと聞き及びます。その整備のせいでしょうか、随所に急勾配があるものの、九十九折れの山道は歩き易く、ゆっくり登ればほぼ2時間15分で踏破可能です。今日は生憎の曇天で頂上からの眺めは楽しめませんでしたが、下山時、挨拶代わりに富士山がほんの少し顔を覗かせてくれました。
前から行きたいと思っていたが、交通の便が悪いので行きそびれていた山がある。その名を「竜ヶ岳」という。山梨百名山の一つである竜ヶ岳は富士五湖の最西端にある本栖湖の南岸から立ち上がる1485bの山で、眼の前の漆黒の富士山の背後から昇る朝日が一瞬ダイヤモンドのように光り輝く、いわゆる「ダイヤモンド富士」の撮影ポイントとして有名である。特に元日の初日の出は数多くのカメラマンや観光客が押しかけるという。しかし、私の場合、日の出前に登れる手段を持ち合わせていないため、取り敢えず眺望だけでも楽しもうと日帰りバスツアーで出かけてみることにした。
心配された天気は左程悪くなく、僅か15名の参加者を乗せたバスは新宿を7時半に出発する。今回はシングル参加者は二席を割り当てられ、ゆっくり足を伸ばしての余裕の行程だ。バスは中央高速を河口湖ICで降り、国道139号線を一路本栖湖へ向かう。車窓からはくっきりとした富士山の稜線が眺められ、竜ヶ岳からの眺めにも期待が持てる。そうこうするうちにバスは竜ヶ岳登山口のある本栖湖キャンプ場に9時半に到着する。
本栖湖キャンプ場でストレッチをした後、割り当てられたグループ順にスタートを切る。キャンプ場の中を横切り、竜ヶ岳登山道に足を踏み入れる。心配された登山道の凍結もほとんど無く、アイゼンの出番はないようだ。登り始めると、なるほど昔は上級者の山と言われていたのが頷けるような急勾配が続く。しかし、登山道の整備が行き届いた現在は余りそれを意識しないで登ることができる。登山道は直登はほとんど無く、九十九折りの山道が中心で足に優しい。おまけに山岳ガイドさんが非常にゆっくりとしたスピードで先導してくれる上、随所で休憩を取ってくれるので息が切れないし、余り疲れも感じない。本栖湖からの標高差は585メートルもあり、私にとっては厳しい部類の山であるが、毎回このような登り方をしてもらえば初級者には有り難いのだが。
1時間程度登ったところに東屋と謂れは良く分らないが石仏群があり、ここで小休止を取る。ところが、眼前に威風堂々の佇まいを見せてくれている筈の富士山が、何時しかぶ厚い雲に覆われて、真っ白なキャンパスに変ってしまっていた。気象予報士を目指しているという山岳ガイドさんが車中で予想していた天気に間違いはなかったようだ。何とも残念だが、竜ヶ岳山頂で見れることを期待して腰を上げる。
見上げると黄金色の笹に覆われたたおやかな山容の山頂部分が眺められる。ここから先は樹木がほとんどない急勾配の笹原歩きとなる。遮るものが無いため、強風が直接体に吹き付け相当に寒い。一旦は脱いでいたジャケットを再びここで羽織りフードも被る。道はジグザグを繰り返しながら高度を稼いでいき、東屋からほぼ1時間で竜ヶ岳山頂に飛び出す。
だだっ広い山頂も遮るものがないため寒風が吹き荒び相当に寒い、兎に角寒い。ここで昼食となるが、余りにも寒いので、其々が笹の茂みの中にズッポリと腰を下ろし風を避けながら黙々と昼食を済ませる。期待していた眼前の富士山は相変わらず姿を見せてくれないが、辛うじて遥か西方に雪を冠った南アルプスの山々が薄ぼんやりと眺められる。眺望の無さと余りの寒さに、1時間の予定だった昼食時間を30分に切り上げて早々と下山することになった。
下山路は往路をピストンするだけであるが、気温の上昇と共に霜柱が融け登山道はもの凄い悪路に変化している。滑らないようにストックを支えに細心の注意で急坂を下る。登山靴の底にはぶ厚く泥が付着し歩き辛い事この上ない。若干身長の高い私は下山路は苦手である。それは物理で習った「力のモーメント」によるものだと思われる。難しいことは良く分らないが回転軸の長さが長いので重心がチョッとずれると一気に回転(転倒)してしまうからのようだ(笑)。まあそんな事はどうでも良いのだが、今回はどうにか一回も転倒することなく再び東屋まで下ることができた。
下山するに従って天気が回復してきたようで、東屋付近まで下ると雲の切れ間から富士山が徐々に眺められるようになってきた。後1時間山頂に居ればと悔やまれるが、ここまで下れば後の祭りだ。その後は一刻も早く汗を流したい一心でかなりのスピードで下山をし、山頂を出てから約1時間45分で再び本栖湖キャンプ場に全員無事にゴールしたのだった。悔しいことに、あの富士山は何事もなかったかのようにクッキリとした稜線を我々の目の前に見せ付けていた。
見る影も無くドロドロになった登山靴やストックを洗い、ストレッチをやってから再びバスに乗り込むと、精進湖を左手に見て次の目的地へ向かう。行き先はあの上九一色村だ。上九一色村ふれあいセンターに併設された「上九の湯」で1時間汗を流し、お決まりの缶チューハイを買い込んで帰路のバスに飛び乗ったのだった。
期待して登った竜ヶ岳。天気がも少し良ければ満足のいくものとなったのだろうが、それでも難しい部類のこの山を踏破できたことに充実感を感じている。天気を選べないのは当然だが、何時かそんな良い天気に巡り会えることを期待して、再び登ってみることにしよう。