年月日 2007/01/27(土) 天候 吹雪 場所 長野県茅野市 ルート スカイライナーリフト降り場付近→(90分)→スカイライナー乗り場付近 歩行距離(不明`)、所要時間1時間30分(休憩時間含まず) その他 バックカントリーとは、整備、管理されたゲレンデを滑るのではなく、本来の姿である「雪山」で遊ぶことです。ここ数年、日本でもバックカントリーへの関心が高まってきています。車山高原スキー場の裏手には広大な雪原が広がっていて、バックカントリー入門にはうってつけの場所です。今回は生憎の吹雪でルートを変更してのトレッキングとなりましたが、パノラマスキー場の外周を巡るコースは積雪量は深いところで1メートル以上もあり、スノーシューを履いていても埋まる時が度々あります。ゲレンデとは違って、まだまだ踏み荒らされてない深雪の素晴らしさは言葉に尽くせないほどです。.
若い頃は何よりもスキーに勤しみ、恥ずかしながら仕事を休んでも出かけるくらいのスキーフリークだった。時が流れ歳を重ねるに従ってスキーの出来る環境から徐々に遠のき、何時しか、どっしりと落ち着いた山の姿を眺め、厳しい自然条件下でも精一杯咲き誇っている山野草を愛でることに心動かされるようになってきた。彼此10年位は雪山に触れる機会から遠ざかっているであろうか。しかし、山歩きをするようになって、季節に関係なく山を楽しむのであれば、どうしても雪山は避けられない。極端に交通手段が少なくなる冬季であり、今まで雪山歩きは諦めていたのだが、真冬でもスキーバス以外の雪山バスツアーがあることを知り、今日は初めてそれにチャレンジしてみることにした。とは言っても、凍てついた深雪の山道をアイゼンを付けて喘ぎながら登るものでは無く、降り積もった雪の上をスノーシュー(洋風かんじき)で歩くトレッキングツアーある。
27名の参加者を乗せてツアーバスは新宿を7時20分に出発する。東京の天気は薄日の射す晴天で、現地の天気にも期待が持てる。バスは渋滞も無く順調に中央高速を走る。が、須玉ICを過ぎる辺りから徐々に雲行きが怪しくなり始め、諏訪ICを降りる頃には周辺の山々はすっかりぶ厚い雲に覆われ鉛色の世界が広がってきた。しかし、山の天気は何時もこんなものだ。今から一喜一憂しても始まらないので、焦ることなくどっしりと構えていよう。
諏訪ICを降りると、国道152号線を走りビーナスラインに入る。バスは狭いS字カーブを喘ぎ喘ぎ登っていく。登るほどに心配された積雪も徐々に増えていき、車山高原に入るとすっかりの雪化粧である。車山高原スキー場に着いたのが10時半。当然のことながら、色とりどりのスキーウェアで身を固めたスキーヤーで賑わっている。少々場違いな雰囲気の我々はスノーシューとストックをレンタルし、地元の山岳ガイドさんからトレッキング上の諸注意を聞いた上で、まずはスノーシューは履かずにリフトで山頂へ向かうことになる。歩いてリフトに乗る我々にスキーヤーの好奇の眼差しが突き刺さる。
スカイライナーとスカイパノラマの2本のリフトを乗り継いで山頂駅へ着く。が、山頂駅周辺は猛烈な風雪が吹き荒れている。横殴りの風と雪で何も見えない。ガイドさんから、この状況でのトレッキングは危険なのでルートを変更して別ルートを歩くことにするとの指示が出た。取り敢えずはせっかく山頂駅まで来たので山頂まで登るが、当然の如く山頂も猛吹雪の真っ只中である。気温は−3℃くらいで思ったほど寒くは無いが、猛烈な風で体感温度はかなり低い。富士山を始め、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、浅間山、八ヶ岳連峰などの360゜の展望がこの荒天では楽しめ無いのが残念だ。
山頂で暫くガイドさんから車山に関するレクチャーを受けた後すぐさま下山に転じる。今乗ってきたばかりのスカイパノラマリフトで中腹まで下り、ルートを変更してここからパノラマコース沿いの穏やかなスノーシュー可能エリアを歩くことになる。日本でもバックカントリーに対する関心が高まってきたとはいえ、まだまだ狭い日本ではマイナーなスポーツで、スキー場の片隅をこそこそと歩く、そんなよそ者のイメージが強い。
リフト降り場前でガイドさんに教わりながらスノーシューを着ける。付け方は難しくないが、案外貧弱な仕様のビンディングで、こんなもので大丈夫なのだろうかと思う。全員が着け終わるといざスタートだ。スキー場のゲレンデ内は歩行禁止なので、スキーヤーに頭を下げながら低姿勢でゲレンデを横切る。しかし、スキーヤーの入れないゲレンデの端の深雪の部分は我々の独壇場だ。積雪1メートル以上の深雪もスノーシューで歩いてみると余り沈み込まない。うんうん、これは調子が良いぞ。が、油断するとたまにはズッポリと股の付近まで沈み込む時もある。そんな時は踏ん張りが効かず足を引き抜くのに一苦労する。なるほど、スノーシューとて万能ではないのだ。
天気は相変わらず横殴りの雪が降っているが、雨では無いので左程気にならない。時間はお昼を少し回った。ここでガイドさんの指示で昼食となる。雪の上に腰を下ろし、大自然の息吹を感じながらの弁当は冷飯でも実に美味い。寒さも弁当の味付けだ。ただ、いきなり深雪の上に腰を下ろしたので、ずっぽりとお尻が雪に埋まってしまい、身動きが取れず少々不自然な格好での昼食になってしまったのだが(笑)。
昼食を終えどうにか腰を上げ再び歩みを進める。深雪の上には所々にキツネやウサギの足跡が残されていて、姿は見えないが駆け回る彼らの姿が想像できて何となく微笑ましい。スキーは確かにスピード感と爽快感に溢れた素晴らしいスポーツであるが、自然との大切な触れ合いを猛スピードで素通りしてしまうのが難点だ。大自然と真っ向から向き合ってじっくりと体感する、これがバックカントリーの良さなのかも知れない。
パノラマコース沿いのスノーシューエリアはアップダウンを繰り返しながら最終エリアに突入する。スノーシューを着けずにラッセルするよりは当然着けた方が楽には違いないが、それでも通常の歩行よりは随分と体力を使う。最後は夫々が思い思いに深雪を歩く自由歩行を15分ほど体験してツアーは無事終了した。天気も徐々に回復し始め、蓼科山や車山山頂も少しずつ姿を現し始めた。う〜ん、何とも悔しいが、もう帰りの時間が迫っている。機会があれば、晴れ渡った雪山に再度チャレンジしてみたいものだ。
山岳ガイドさんにお礼の言葉と別れを告げ、午後2時15分帰路の車中の人となる。ルートを変更したことによって、スケジュールが前倒しで進行し、時間的にも余裕ができたので、途中、白樺湖すずらん温泉で通常より長い1時間半の入浴を楽しんで、のんびりと東京を目指したのだった。
話は変るが、以前、志賀高原に出かけた時のC社の添乗員さんが素敵だったことを書いたことがあるが、今回の添乗員さんもそれに輪をかけて素敵だった。愛想が良くてテキパキと物事を片付け我々に不安感を抱かせない。参加者の状況を見極め臨機応変に対応する彼女の能力は見事だ。これからのC社のツアーがますます楽しみになっている私である。