年月日 2006/08/19(土) 天候 晴れ時々曇り 場所 栃木県日光市 ルート 東武日光駅→(25分)→神橋→(25分)→日光植物園→(25分)→神橋→(25分)→東武日光駅 歩行距離(片道3.5`)、所要時間45分(休憩時間含まず) その他 夏の妖艶な花「レンゲショウマ」との逢瀬を楽しみに出かけました。コースは至って単純です。東武バス(奥細尾、清滝、中禅寺温泉、湯元温泉行で「花石町」下車)で向かうのも良し。しかし歩いても片道僅か45分です。日光の歴史ある町並みや大谷川、男体山、女峰山などの自然の景観を楽しみながら汗を流すのも良いでしょう。
「レンゲショウマ」なる花の怪しげな魅力に取り憑かれ、他人に煩わされることなくゆっくりとその花を愛でることができる場所を探していた矢先、日光の地にある「東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園」を探し出した。それが丁度1年前である。まるで見知らぬ女性との初めての出会いの如く寡黙に、しかし、大人の恋模様の如く多くを語らずとも分り合える。そんな怪しい雰囲気をその花に感じたのを記憶している。今回もそんな一方的な淡い恋心を抱いて再び日光の地へ出かけることとした。
東武日光駅で下車すると国道119号線を日光東照宮方面へと足を進める。九州地方に上陸した台風の影響で些か雲は多いが、雲の切れ間からは容赦のない灼熱の太陽が射していて、歩くほどに汗が噴き出し、あっという間に全ての衣類に染みを作る。日光東照宮前を左折し国道120号に入り、大谷川(だいやがわ)に沿って暫く歩けば、東武日光駅を出てほぼ45分で目的の植物園に着く。
植物園の受付で入園料330円を支払い、受付の男性に「レンゲショウマ」の花の付き具合を聞く。話によると丁度見頃を迎えているらしく、撮影ポイントまで親切に教えてくれた。
植物園の中に入ると、今までの猛暑が嘘のように涼しい。104850平方b(31717坪)の広大な園内には、日本の高山及び温帯から亜寒帯に生育する種類、並びにそれらに関係の深い外国の種類が集められていて、シダ植物約130種、裸子植物約70種、被子植物約2000種(双子葉類1750種、単子葉類250種)が生育しているという。フィトンチッドの香りを浴びながら、鬱蒼とした樹林の中で暫し森林浴を楽しむ。
撮影ポイントに足を延ばすと既に先客が三脚を固定して撮影の真っ最中である。私も挨拶をし断って撮影を開始する。受付の男性が言うように確かに見事な群生である。「レンゲショウマ」は日本固有の花で、山間の落葉樹林内に生える多年草であり、花の形が「ハス」に、葉が「ショウマ」に似ている事から名付けられたものらしいのだが、周囲の淡紫色の部分はがく片で、中心の濃い部分が花弁で多数の雄しべを取り囲んでいるのが特徴である。まるで実のような丸い蕾とうつむき加減に開く薄紫の花とが対照的で、その妖艶な美しさに再び見惚れてしまう。
一通り「レンゲショウマ」の撮影を終えると、広い園内を別の花を愛でに歩き回る。これは浮気とは言わず、コミュニケーションとでも受け止めて頂くと有り難いのだが。しかし、春先とは異なり、この時期案外花の種類は少ない。それから2時間半かけて園内を歩き回ったが、目立つのは「コバギボウシ」を筆頭に「フシグロセンノウ」「キレンゲショウマ」「ミソハギ」「サワギキョウ」そして「レンゲショウマ」等の花々で、それらが夏の園内を席巻しているようだ。これから冬にかけて尚一層花の種類は少なくなるが、それでも秋には「リンドウ」「トリカブト」「アケボノソウ」等が目を楽しませてくれるし、それ以上に紅葉が美しい季節に時は移り変わっていく。
丁度12時に植物園を後にし帰路に付く。植物園を出ると再び猛暑の世界である。まるでお漏らしをしたかのようにズボンにまで汗の染みを作って再び東武日光駅まで戻る。昼食を取るために駅頭のそば屋に入ると、そこの主人が私の装備を見て話しかけてくる。主人も花の写真が趣味らしく、ビールを傾けながら暫し高山植物談義に花が咲く。主人は仕事柄、山菜にもキノコにもかなり博識で、話の成り行きで彼が採ってきたという「チタケ」というキノコで蕎麦を作ってもらうこととなった。「チタケ」は栃木県や群馬県東部では非常に珍重されているキノコで取引相場はかなり高価らしい。肉質は硬く口あたりはボソボソしていて相当にまずいが、湯で煮ると非常に味わいのあるエキスが出て蕎麦汁はかなり美味い。主人曰く、キノコは食べなくて良いが、汁は飲み干して欲しいと。350円の立ち食い蕎麦に慣れている私にとっては、かなり値が張る蕎麦だったが、美味い蕎麦(汁)を飲み干しほろ酔い加減でそば屋を後にしたのだった。