年月日 2006/08/05(土) 天候 快晴 場所 長野県諏訪郡富士見町 ルート 富士見駅→(15分)→ホテル八峯苑→(20分)→編笠山登山道入口→(30分)→不動清水・盃流し→(30分)→富士見高原ゆりの里→(5分)→創造の森彫刻公園→(5分)→富士見高原ゆりの里→(15分)→富士見駅 歩行距離(5.00`)、所要時間2時間(休憩時間含まず) その他 下界より若干は涼しいのでしょうが、それを感じさせない猛暑の八ヶ岳山麓富士見高原のハイキングとなりました。コースは至って単調で、見所はゆりの里くらいでしょうか。それはそれとして実に見事なゆりの花の大群生でしたが、歩くことが目的の御仁には些か物足りないハイキングではなかったかと思います。
梅雨も明けたようで、連日猛暑が続いている。最近は山岳ツアーに出かけることが増えてきたが、経済的にも苦しいので今日は涼しい高山歩きは断念して近場の鉄道事業者系ハイキングイベントに参加することにした。場所は長野県諏訪郡富士見町。ハイキングイベントにしてはちと遠いが、他に面白そうなイベントも無いためJR東日本主催の「不動清水・盃流しとゆりの里コース」に出かけてみることにした。
往路は相変わらず交通費を節約するため鈍行を乗り継いで出かける。自宅を出てから4時間半後の8時半に中央線富士見駅に着く。これだけでかなりのエネルギーを消費して既にグッタリだ。富士見駅に到着すると直ぐに受付を済ませ、送迎バスに乗り込みスタート地点の富士見高原ホテル八峯苑へ向かう。八峯苑の駐車場で下車すると、真夏のギラギラした太陽が照り付ける舗装道路を編笠山登山道入口へと向かう。ダラダラとした上り坂が20分ほど続き、舗装道路からの照り返しで一気に汗が噴出す。
編笠山登山道に入り、ゴルフ練習場の脇を抜けるとカラマツの生い茂る涼しい山道に入る。標高も左程高くないので山野草は余り期待していなかったが、予想に反して案外豊富で、随所で足を止めカメラを向けながら歩く。緩やかな足に優しい山道が30分ほど続き「不動清水」と「盃流し」に到着する。「不動清水」とは、江戸時代から八ヶ岳信仰という山岳信仰があって、ここに不動明王を奉ったところ、そこから清水が湧きでて「不動清水」と名が付いたのが謂れと言う。また「盃流し」とは、庭園の曲がりくねった川のほとりに古の平安貴族らが座り、川の上流からお酒の入った盃を流す。その盃が自分の元に流れつくまでに和歌を詠み、盃を取ってお酒を飲むという、何とも優雅な遊びがあったそうだ。ここの流れがその時の流れに似ているので「盃流し」の名が付いたのが謂れと言う。ところが、案外足早に歩いていたのだろう、「不動清水」は全く気付くことなく通り過してしまったようだし、「盃流し」はその謂れの通り、確かにここに清らかな水でも流れていれば盃も流せるであろうが、この日は川は干上がり、窪みには赤茶けた錆びたような水が溜まっているだけで風流な平安の風情など全くない。感傷に浸るべきものも何も無いのですぐさま踵を返して元来た道に戻ることにした。
ところで、ここから更に高度を上げていけば標高2524bの編笠山に行き着くのだが、今回はハイキングイベントのためここでUターンとなる。これ以上は登山家の範疇だ。我々は元来た道を引き返すだけである。下山道はガレ場も木の根の張り出しも少なく非常に歩き易い道だ。登山道入口まで下り、次のポイント富士見高原ゆりの里へ向かう。
ゆりの里は、冬はスキーで賑わう富士見高原スキー場のゲレンデとリフトの直下にあり、500万輪ともいわれる色とりどりのゆりの大競演にまず圧倒される。これだけの規模のゆり園は他にはなかなか例が無いのではないだろうか。急いで廻ろうとしても少なくとも1時間は掛かると思われる。それにしてもさすが夏休み中の観光地だ。ゆりの数以上(?)の観光客の数にも圧倒される。
余りにも多い被写体に的を絞れず展望リフトに乗って展望ゆり園へ向かう。リフトの下にも色とりどりのゆりの花が咲き乱れ、リフトからぶら下がった私の足にも絡み付く。リフトを降りると急斜面のゲレンデには幾種類ものゆりの花が整然と植えられていて、その数たるや尋常じゃ無い。ただただ唖然と眺めるだけである。折りしも「富士見高原ゆりの里フォトコンテスト」が開催されていて、入賞を狙うカメラフリークの面々が高価そうなカメラと三脚でアングルの良い場所を占拠している。私も少しく対抗心を燃やし安価なカメラでシャッターを切り続ける。要は腕なんだと負け惜しみを言いながら。目の前には霞んでいて稜線ははっきりしないが、甲斐駒ヶ岳を筆頭とする南アルプスの雄大な山並みが遠望できる。何時の日かあの山々を登ることがあるのだろうかと思いつつ眺め入る。
15分くらい展望ゆり園で高原の風と戯れた後再びリフトで下山する。しかし、時間はまだ12時である。かなり早いがハイキングコースはこれで終わり。若干消化不良気味ではあるが、さりとてゆり以外に見るべきものも少ないので、そのまま帰りの送迎バスで富士見駅に戻ることにしたのだった。
以前からそうであるが、概して鉄道事業者系ハイキングイベントはどうしても観光地巡りになってしまう傾向がある。左程厳しい山登り等は無いので、それなりに観光客が多い場所となる。しかし自分のペースで自由に歩ける利点はある。逆に山岳ツアーは厳しい登山が多く、規律に従って整然と行動を共にする必要があるし、余り自由は利かない。其々に一長一短があるがどちらも捨て難い。丁度山歩き成長過渡期の私は暫くは両者併用で山を楽しむことになるのであろう。