年月日 2006/07/29(土) 天候 風雨強し 場所 岐阜県高山市高根町野麦 ルート 新宿⇒(300分)⇒畳平→(30分)→肩の小屋→(60分)→乗鞍岳→(60分)→肩の小屋→(30分)→畳平⇒(300分)⇒新宿 歩行距離(6.00`)、所要時間3時間(休憩時間含まず) その他 この歳になり初めて3000b峰にチャレンジしてみました。場所は岐阜の乗鞍岳です。登山口のある畳平は標高2702bにあり、乗鞍の最高峰剣が峰(3026b)とは標高差300bと左程厳しい山ではありませんが、梅雨末期の荒天と空気の希薄さの影響で、且つ又日帰りという強行軍でそれなりに厳しい登山となりました。
人生50有余年、生まれて初めて3000b峰へ登る。しかし、その山は難易度の低い初級者の山に位置づけられている。それもその筈、スタート地点は標高2700bで、そこまでバスで乗り付けるのである。その標高差は僅か300bで日頃私が登っている山々よりも小さく些か拍子抜けであるが、それでもその山は日本百名山の一つの3000b峰であり油断はできない。スタート地点で既に高山病になってしまった人も居るとの話も聞き及ぶ。事前に山頂の気温や天気や高山病のことを調べて出かけることとした。今日はA社の山旅ツアー「日帰りで3000b峰へ登頂 乗鞍岳」である。
新宿を7時に出発した貸切バスは中央自動車道を一路信州へ向かう。梅雨もそろそろ明けそうな様子で、車窓からは強い日差しが差し込んできてかなり暑い。しかし長野自動車道の塩尻を過ぎた辺りから一転俄かに掻き曇り大粒の雨が降り出した。後は梓川に沿って野麦街道を一路乗鞍高原方面に向かうだけだが、現地の天候が心配だ。
参加者20人を乗せた中型のバスは梓川を離れ、前川渡大橋を渡ると、大野川に沿ってスタート地点の畳平へと続く標高差1700bの車道を喘ぎ喘ぎ登っていく。空気が徐々に薄くなっているため今にもエンジンが止まりそうなくらいにのろい。高度を上げていくにつれて天気は回復し、乗鞍岳も周辺の山々も徐々に姿を現し始めた。雲の上に出たようだ。
スタート地点の畳平(2702b)に着いたのが12時45分である。先に昼食を済ませ30分後にスタートすることになった。ところが山の天気は本当に変り易い。先程までの晴天が嘘のようにいつしか霧に覆われ、ポツポツとまた雨が降り出した。仕方なく、天気の回復を期待しつつ荒天の中を強行突破することになった。
乗鞍岳とは岐阜・長野両県にまたがる飛騨山脈南部の火山で、単一の山ではなく剣ヶ峰(3026b)を最高峰に、摩利支天岳・富士見岳・恵比須岳などからなっている火山群である。今回の登山は当初予定の下山ルートが雪渓に阻まれ危険となったため、畳平から肩の小屋を経て剣が峰へ登り再び畳平に下るピストンルートに変更された。
ルートは高山植物が群生する「お花畑」の中を通って、肩の小屋までのゆるやかな登山道を30分程歩く。今までの山歩きでは見たことも無い高山植物に出会えて心が弾む。しかし、花の写真に夢中になっていると、他の参加者の皆さんを霧の中に見失うこともしばしばだ。その度に最後尾に付いているガイドに急かされる。何とも忙しいツアーだ。
肩の小屋で小休止を取った後、剣が峰への急登へ足を進める。衣類から水滴が滴り落ち始めたので私も雨具を身につける。肩の小屋からは標高差250b程度だが、薄い空気、低い気温、強い雨、歩き辛い岩場、そして急勾配もあって相当に辛い登りだ。途中で休むと添乗員から注意が出る。自由歩行の許されない何とも窮屈なツアーだ。
そうこう難儀している内に、息も絶え絶えに3000b峰の頂上に立った。荒天で眺望が全く利かないのが非常に残念だが如何ともし難い。頂上は祠と一等三角点があるのみの20人も立てば一杯の窮屈な空間だ。そんな中、「別のツアーの団体が下で待ってますので」のガイドの一声で、集合写真を1枚撮っただけで僅か数十秒で山頂を後にし、別の団体に頂上を譲った。好天で眺望に恵まれた日だったら諍いが起きていたかも知れない。人気の高い山だけに仕方の無いことなのだろうか。
下りは今来た道をピストンするだけであるが、雨脚は更に強くなり横殴りに変ってきた。私は撮影も放棄し、ただひたすらに畳平を目指した。畳平に着いたのが16時半。着替えもままならず、急き立てられるようにバスに乗り込むと新宿に向かってバスは急発進したのだった。ずぶ濡れで座るシートの心地悪さよ。
帰りのバスの車中で隣同士となった紳士と、アルコールを傾けながら本ツアーの問題点について雑談してみた。
まずは、岐阜の乗鞍岳を日帰りにした英断は評価するが、その分環境の厳しい高山を3時間で踏破しなければならないのは非常に辛い。分刻みの行動は心にも余裕が持てず相当に体力も奪う。東京からなら夜行日帰り若しくは一泊泊りのツアーがベストだと思われる。
次に、登山の時間が制約されることによって、個人の自由時間が全く切り捨てられている。安全配慮の面からある程度は理解できるが、お客さまの自由の全てを管理してはならない。
更には接客態度である。ガイドの初級者を見下したような高慢な態度や、ツアーに参加させてやってるのだからこちらの言うことを聞けみたいな高飛車な物の考え方は鼻持ちならない。それが原因で帰り際には一部の乗客と実際トラブルになっていたのだから。この紳士も次回からは他の会社のツアーに参加することとされたようだ。ツアー会社もガイドにCSを充分学ばせる必要がありそうだ。etc
つらつら書いてきたが、荒天で北アルプス連山の眺望が利かなかったのは残念だが、それなりに楽しめた登山だった。折を見て夜行日帰りのツアーがあれば参加してみることにしたい。余談であるが、高山病の予防のために購入した「酸素」は使うことなくザックの中に鎮座している。