年月日 2006/05/13(土) 天候 雨 場所 山梨県富士吉田市 ルート 富士吉田駅→(25分)→富士浅間神社→(15分)→諏訪の森公園(パインズパーク)→(40分)→恩賜林庭園→(20分)→鐘山の滝→(5分)→富士吉田市歴史民族資料館→(5分)→富士山レーダードーム館→(バス10分)→富士吉田駅 歩行距離(7.5`)、所要時間2時間10分(休憩時間含まず) その他 富士山信仰の地であり富士山登山の北玄関口ある富士浅間神社に参拝し、諏訪の森公園(パインズパーク)で樹齢300余年の赤松の美林を眺めながらののんびりウォーキングです。残念ながらかなりの大雨で雄大な富士山は眺めることはできませんでしたが、富士の裾野に広がる豊かな自然を感じることが出来ました。
朝3時半。外はまだ暗いものの雨が降っている気配はありません。ここ数回、私にとっては標高差の大きい山々を歩いてきましたが、今日はほぼ平坦な富士の裾野をのんびり歩いて見ることにします。天気よどうにか持ち堪えてくれと願いつつ出かけたのは、富士急行とJR東日本八王子支社との合同ウォーク「冨士浅間神社と鐘山の滝、歴史と自然散策」コースです。
7時10分新宿発の高速バスに乗り込み富士急行「富士吉田駅」を目指しますが、バスが中央高速に乗り入れた途端フロントガラスに雨粒がポツポツと痕跡を残し始めます。朝のTVの天気図によると大きな雨雲の塊が東進しているとのこと。この分じゃ雨中行軍になることが予想されます。
高速バスは9時2分にスタート地点の富士急行「富士吉田駅」に到着します。雨はいつしか本降りになり、気温もグッと下がってきました。吐く息が白く見えます。この雨で参加者の出足も悪いのでしょう、受付のスタッフもやや手持ち無沙汰そうにジャンバーの襟を立てて待機しています。私は受付を済ませると早速雨具へ着替えます。雨具の上下にスパッツを着け、フードを被り、ザックカバーでザックを覆います。更衣室がある訳でもなく、狭い駅頭での立っての着替えは案外手古摺るものです。
久々の重装備で9時半にスタートを切ります。駅前から国道137号線を暫く進み、富士山の眺望ポイントで「富士みち」と呼ばれる139号線を右折します。その「富士みち」に立つ「金鳥居」をくぐると、道はゆったりとした「北口本宮富士浅間神社」へ続く上り坂になります。ただ、この雨では富士山の眺望など論外です。
ところで、この道沿いには「御師(おし)」の家並みと呼ばれる家々が点在しています。「御師」とは富士山の神霊と崇拝者の間にたって崇拝者に代わって祈りをあげ、お札を配り、信仰登山の際には自宅を宿泊所として提供して、富士信仰を広める役割を果たした人々のことです。江戸時代の最盛期には約100軒ほどの「御師」がこの地域に居住していたそうですが、時代により栄枯盛衰があり、今やスバルラインの開通によって富士山北口登山道はほとんど登山者がいなくなったため、「御師」の町の面影はわずかに長い辰道(建物へ続く道)と「御師」の額名や古い建物がその名残りをとどめているに過ぎないらしいのです。
そのうちの一軒「大黒屋」に立ち寄ってみることにします。こじんまりとした家作りですが、宿泊にも供されるとあって玄関には豪華な螺鈿作りの屏風や甲冑が飾られており、昔の旅籠の風情を残しています。庭には小さいながらも池も配されていて、信仰登山の旅人の疲れを癒したに違いありません。縁側では主が見学者に対して説明を加えたりお茶を接待したりで談笑しています。私も暫く主と話を交わしお茶を頂いた後、お礼を述べてお暇をしましたが、初めて見る富士山信仰の奥の深さは興味深いものでした。
139号線を更に直進し、上宿の交差点を左折して138号線を暫く進むと「北口本宮富士浅間神社」の大きな鳥居が目に入ってきます。富士山の周辺に多い浅間神社ですが、ここ「北口本宮富士浅間神社」も広大な境内を持ち、苔むした石灯篭の参道を進むと、拝殿にかけて国の重要文化財の本殿など荘厳な社殿が建ち並びます。緑深い森によって国道から遮断され、本殿付近の静寂さはまるで別世界のようです。
浅間神社の裏手に抜けると、今や登山者がめっきり減ったという吉田口登山道に入ります。ミズナラやコナラ、カエデ、アカマツ、スギ、ヒノキなどの静かな広葉樹林帯の中を15分程歩くと「諏訪の森公園」に到着します。ここには樹齢300年とも400年とも言われるアカマツの群生林があり、別名「パインズパーク」と呼ばれています。コースはこの公園の緑の中を約20分歩くことになりますが、期待していた春の山野草にも至る所で出会うことができ、カメラを構えるのが忙しい反面、嬉しいウォーキングとなりました。
「パインズパーク」を抜けると、チョッと斜度のある長丁場の歩きとなります。広葉樹林帯を貫いて走る静かな舗装道路ですが、周りを見回しても誰一人歩いていません。それほど参加人数が少ないのでしょう。約20分ほどぽつねんと歩いていると「恩賜林庭園」に到着します。歴史的な変遷は抜きにして、恩賜林とは皇室の所有地だった森林が恩賜県有財産として県に無償払い下げとなったもので、「恩賜林庭園」はそれを管理する恩賜林組合が運営する西洋式庭園です。左程広くない園内には原色の西洋の草花が植栽されており、芝生広場、バーベキュー広場、薬草園も併設されていてファミリーやカップルにはそれなりに楽しめるようになっています。私にとってけばけばしい洋風の草花は余り興味が沸かないので先を急ぐことにします。
さあ、歩きもそろそろ終盤です。北富士演習場での実弾射撃訓練の音でしょうか、ドドーンドドーンと腹に響く音が聞こえるようになってくると、コースは再び交通量の多い138号線にぶつかります。この国道を渡り、眼下を流れる山中湖を水源にもつ桂川に降りてみると「鐘山の滝」があります。「鐘山の滝」は滝の真ん中にある突起した溶岩が滝の流れを二条に分け、別名「小佐野の滝」ともいわれる幅約10b、高さ約5bの何の変哲も無い小さな滝です。文才の無い私は足早にその場を離れますが、ここで短冊と筆を持って一句詠めれば絵になるのですが(^^;;。
「鐘山の滝」から「富士吉田歴史民族博物館」の脇を抜けると、5分でゴールの「富士山レーダードーム館」に到着します。ゴールは丁度11時半。ゆっくりと見学したい施設もまだあったのですが、このずぶ濡れ状態では見学が憚られます。仕方なく後は専用バスに乗り込んで、車中で濡れた衣類を着替えながら富士吉田駅に戻ることにします。富士吉田駅では1時間半後の帰りの高速バスを予約し、ビール1本でゆっくり昼食を取った後今日は早目の帰路に付いたのでした。
今日のウォーキングは終日雨に祟られましたが、雑音が雨具で遮られて聞こえるのはフードを打つ雨音だけというシチュエーションも歩きに集中できて楽しいものです。春の山野草の多さも相俟ってなかなか心に沁みる雰囲気の良いウォーキングとなりました。ただ2時間半も雨に打たれて歩いていると、如何に防水されてるとは言え、雨具からも水が染み込み始め些か辛いものがありました。傘を差すとカメラが扱い辛いし、なかなか難しいものですね。